医学雑誌ランセットはこのほど、中国ではジャンクフードが世界で最も高い伸び率で消費されており、消費量自体も肥満者の多い西側諸国に迫る勢いだと指摘した。
米ハーバード大、英ケンブリッジ大などの共同研究チームは、197カ国の飲食スタイルの変化を比較するため、1990年から2010年までに調査を計325回実施した。
調査では、野菜、穀物、魚、高繊維食品などを「健康食品」、赤肉、糖類を含む飲料、高コレステロール・高塩分の食品などを「不健康食品」と定義して消費量などを点数化。その結果、米国やオーストラリア、ベルギーなどの先進国では、健康食品とジャンクフードの消費量がともに多いこと、中国とインドではジャンクフードの消費量が西側諸国に迫る勢いにあることなどが分かった。
中国は、「健康食品」の点数が調査対象国で最低であり、20年間の点数の下落も、1990年の34.2から29.9へと最も大きい。「不健康食品」の点数の落ち込みも同様に深刻だ。中国人の食生活において、ジャンクフードの消費量が増える一方で、健康食品が占める割合が減っていることを表している。
世界保健機関(WHO)の2014年の統計によると、世界の成人の39%が過体重、13%が肥満だ。中国でも3億人が過体重であり、肥満率は10%を超えている。食が豊かになる一方で、食による健康からは遠ざかっている。中国は肥満大国への道を大股で歩んでいる。
レコードチャイナ 2015年3月3日