国家統計局はこのほど全国31省・自治区・直轄市の今年11月の消費者物価指数(CPI)のデータを発表した。それによると、多くの地域で上昇率が低記録を更新し、8つの地域では1%を割り込んでゼロ成長に近づいた。分析によると、物価は引き続き低水準を保ち、金融政策が緩和される可能性が大きいという。中国新聞網が伝えた。
▽複数地域で上昇幅が最低記録
同データによると、11月のCPIは前年同月比1.4%上昇し、上昇幅は前月を0.2ポイント下回って、5年ぶりの最低を更新した。
11月の物価上昇幅をながめると、31省区市のうち、全国水準を上回ったのは青海省、上海市など16カ所で、青海省は全国トップの3.3%だった。最低は内蒙古(モンゴル)自治区で0.5%にとどまった。
10月の上昇幅と比較すると、河北省、山西省など19カ所で上昇幅が鈍化し、多くの地域で低記録が更新された。江西省などは1.4%上昇して、2012年7月以来28カ月ぶりの低記録更新となり、四川省は0.9%で約5年ぶりの低記録更新、山東省は1.5%で今年3月以来の低記録更新となった。
また貴州省など9カ所で上昇幅が10月を上回った。天津市の上昇幅が最も大きく10月を0.5ポイント上回った。広東省、雲南省、寧夏回族自治区の上昇幅は前月並みだった。
▽ゼロ成長に近づく8省区市
注意すべきは、11月には河北省、黒竜江省、浙江省、四川省、北京市、陝西省、山西省、内蒙古自治区の8カ所でCPI上昇幅が「0時代」を迎えつつあり、上昇率が0に迫っていることだ。
中国交通銀行の連平チーフエコノミストは、「経済運営が鈍化しつつ安定に向かうことを背景として、需要という側面が物価を引き上げる力には限界があり、国内の石油製品価格が持続的に低下し、不動産関連の価格調整が行われていることを受けて、今後も引き続きCPI上昇幅には低下圧力がかかることが予想される」と話す。
専門家によると、現在のインフレ問題は中国の経済運営が直面する第一の問題ではない。物価が低水準での運営を維持することで、金融政策の調整や価格改革により大きな可能性とよりよいタイミングを提供することになった。実際、中国は最近、石油製品の消費税を2回連続で引き上げるとともに、金利の引き下げを行っている。
海通証券の分析報告によると、当面のデフレは最初に来るリスクだ。インフレは実質金利を上昇させ、負債比率を悪化させており、今後は経済の低下傾向を助長するとみられ、長期的にみれば金融政策の緩和の可能性は大きくなるという。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年12月18日