未曾有の被害をもたらした東日本大震災は、多くの日本人の心に「傷」を残した。4年の時が経ち、今ではその傷は徐々に薄らいできている。しかし福島に限っては、春はまだ来ていない。原発事故は今も、現れては消える霧のように、人々の心に影を落としている。文匯報が伝えた。
最近、「福島」が再びマスコミの注目を集めるキーワードになっている。その理由の1つは、2月28日、初来日した英国のウィリアム王子が、日本の安倍晋三首相と共に福島を訪問したことだ。
ウィリアム王子は福島県郡山市の磐梯熱海温泉の老舗旅館にて一泊し、日本側は福島県産の食材を使用した日本料理と温泉でもてなした。日本が被災地にウィリアム王子を招待した目的は、「復興に立ち向かう東北を世界にアピール」することだ。福島への風評被害を払拭するための、日本政府の尽力がうかがえる。安倍氏は2013年の所信表明演説でも、「毎日官邸で福島産のお米を食べている」と述べ、「安全でおいしい福島の農水産物を、風評に惑わされることなく、消費者の皆さんに実際に味わってほしい」と呼びかけている。
原発事故により、福島の復興の道は非常に険しいものとなった。原発事故の処理はすでに3年以上続いているが、原子炉や核燃料の冷却に使われた汚染水の処理が大きな課題になっている。福島への風評被害は今も、いたるところに存在する。「福島行き」の拒否、「福島県産の食品」の拒否、「福島出身者」との結婚拒否……
この意味では、福島の痛みは今も続いている。福島の苦しみが終わりを告げるのは、まだ遠い先のことだ。(編集YW)
「人民網日本語版」2015年3月10日