ドイツのメルケル首相は10日、訪問先の日本で最大野党・民主党の岡田克也代表と会談した際、「慰安婦」問題に自ら言及し、「慰安婦」など歴史問題を適切にしっかりと処理することが日本が隣国との和解を実現するうえで重要だと指摘した。メルケル首相が歴史問題に言及したのは、わずか2日間の日程で3回目だった。人民日報が伝えた。
歴史の直視を日本に促すメルケル首相の発言について、韓国外務省の魯光鎰報道官は10日の定例記者会見で「まず日本が真摯に反省する姿勢で歴史問題を扱って初めて、隣国は寛容な姿勢で接することができる。韓国政府は日本が歴史を直視する勇気を持ち、歴史の傷痕を癒すために努力を払い、周辺国さらには国際社会の信用を勝ち取ることを希望する」と強調した。
メルケル首相は9日昼、朝日新聞社主催の講演会で「歴史の直視は戦後ドイツと隣国が和解を実現した鍵だ。ドイツは歴史と率直に向き合い、それによって隣国の理解を得て、国際社会に再び受け入れられることができた」と述べた。
メルケル首相は同日夕方の安倍晋三首相との共同記者会見でも「ドイツは戦後戦争と歴史の問題について非常に踏み込んだ議論を行い、過去の清算は戦後の和解実現の前提となった」と表明。安倍首相との会談で、ホロコーストなどナチスの犯罪をドイツがどう清算したかを説明したことを明らかにした。
日本の村山富市元首相は9日夜のテレビ番組で「国会答弁から見て、安倍首相は戦後70年談話で村山談話の鍵となる部分を曖昧にするつもりだ」と指摘。「植民地支配と侵略の歴史的事実を率直に認め、反省と同じ過ちを繰り返さない決意を表明するのは当然のことだ。もしこれらを曖昧にするのなら、日本政府は今後信望を完全に失う」との考えを示した。