劉氏によると、日本企業の多くを占める中小企業の危機はいくつかの原因によって形成されたものと言える。中小企業は「アベノミクス」の前からすでに、「生存空間」が限られていた。「アベノミクス」が打ち出されると、大幅な円安が中小企業にさらなるダメージを与えた。
「輸出の規模が大きく海外投資が活発なのは大企業で、こうした企業は確かに円安によって恩恵を受ける。だが中小企業の場合はこうした働きはまったく機能しない」と劉氏は指摘する。「日本の中小企業は国内向けの製品を主に作っている。材料の輸入コストが上がり、住民の消費意欲が振るわなければ、中小企業の経営は難しくなる。また日本の中小企業には熟練労働者に頼るものも多く、原材料を高い技術で加工した製品は、精巧にできていてもコストがかさむ。『アベノミクス』の経済転換で、こうした企業の人材不足やコスト高の悩みは一層深刻となり、中小企業は生存の危機に立たされている」
▽設備投資には依然慎重
日本政府は企業投資の促進にいかなる策を取っているのか。現在、安倍政権が進めている「アベノミクス」は「3本の矢」からなるとされる。そのうちの2本は「大胆な金融政策」と「機動的な財政政策」で、すでに関連措置が打ち出されている。しかし3本目の「民間投資を喚起する成長戦略」の矢が放たれなければ、「アベノミクス」は成功しない。
だが統計結果は人々を落胆させるものだった。調査によると、2015年度(2015年4月~2016年3月)の日本企業の設備投資(ソフトウェア業界含む)は3.9%の減少とされ、そのうち製造業は0.8%減、非製造業は5.6%減となっている。
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