今年はシンガポール建国50周年。この50年でシンガポールは低所得国から高所得国へと発展したうえ、中所得国の罠にも陥らず、1人当たりGDPは5万5000ドルのレベルに達した、世界でも少ない最高所得国だ。こうした成果を考えるときに忘れてはならないのは、シンガポールにはほぼ資源がなく、飲み水さえもマレーシアから輸入しなければならないということだ。
中国も資源には恵まれておらず、問題が山積だが、少なくとも水があり、賢い民衆が多くおり、効率的で力強い政党がある。粘り強く努力しさえすれば、必ず難題を解き、「2つの百年」目標を達成することができる。これはリー氏が中国に与えた第2の啓示だ。
リー氏、またはシンガポールの中国への影響は複数の段階にわたるものだ。鄧小平氏は1978年にシンガポールを訪問した時、改革開放政策の構想を練っていた。南方視察後に、シンガポールに学ぶ方針を正式に打ち出した。当初中国はシンガポールの経済発展に関心を抱いていた。後にアジアで金融危機が起きると、シンガポールの金融制度に関心を抱いた。蘇州工業パーク建設時にはシンガポールの工業パークに関心を抱いた。天津エコシティの時は、シンガポールの環境・生態発展に関心を抱いた。
さらに重要なことに、シンガポールは中国系が多数を占める社会であり、いかにしてクリーンな政府と法治社会を築いたか、そして一党支配の前提で完成させたかは、中国にとって大いに参考になる。
リー氏の最大の成功は、「肝要な少数の人」をしっかりと掴んだことだ。シンガポールは人材をとても重視している。政治的人材と、専門的人材だ。政治的人材の任務は専門的人材を探し出し、活用することだ。「肝要な少数の人」をしっかりと掴む。これはリー氏が中国に与えた第3の啓示であり、中国は現在そうしてもいる。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年3月24日