宅配会社の圓通速遞、ネット通販サイトの淘宝網、1号店、アマゾンなどが相次いで無人機宅配に視線を向ける中、先駆者である宅配大手の順豊速運(順豊エクスプレス)は珠江デルタでの取り組みを強化している。同社は、山間部や都市部から遠く離れた郷村などの農村市場で、1日あたり延べ500回の無人機による宅配サービスを展開している。
アマゾンや淘宝網などのネット通販大手は、主に都市部の市街地で無人機宅配試験を実施しているが、これらの地域は単位面積当たりの宅配便が多く、交通の利便性が高く、人の手で宅配する方が効率が高い。無人機が飛行できる空間は都市部では狭く、荷物の受取も困難だ。これらの試験の多くは世間の注目を集めることを目的としており、実現される可能性は低い。
順豊速運は無人機の研究開発と宅配サービスの試験を経て、無人機宅配サービスの狙いを山間部・農村市場に絞った。同社と無人機製造メーカーの極飛科技が共同開発した宅配無人機は、すでに第3世代目となる。同社は広州市と浙江省での集中的な試験を通じて、全天候型飛行機、遠距離調節システム、荷受・出荷ステーション、監督管理部門から構成される無人機宅配システムを構築した。出荷ステーションの宅配員が出荷を担当し、飛行路線を確認する。無人機はその後、自動的に離陸し、荷受ステーションの宅配員が無人機の到着を確認する。貨物を下ろすと、無人機は自動的に帰還する。
2014年末現在、中国では244人が無人機許可証を取得しており、18社が無人機操作員の研修を行う資格を手にしている。操作・営業許可証および空域使用に関する関連法についても、一部の都市で試行が進められている。これにより、順豊速運の無人機が許可証を取得し、宅配サービスを実施できるようになった。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年3月24日