最近、欧州と日本は通貨供給量をさらに増加させ、経済回復の歩みを加速しようとしている。中国人民銀行(中央銀行)もここしばらく、預金準備率や金利の引き下げを続けざまに打ち出し、各種の革新的なツールを繰り出して市場への流動性供与をはかっている。このため中国が欧州や日本に追随して紙幣増刷合戦に加わるのではないかと推測する声がある。中国人民銀行の周小川総裁はこれについて、「中国が比較的緩和された通貨政策を取りつつあるとの声もあるが、我々が選んでいるのは依然として穏健な通貨政策であると認識している」と語った。別の専門家も、「中国経済は『三期畳加』(経済成長率のギアチェンジ期、構造調整の困難期、刺激策の消化期の3つの時期のオーバーラップ)と呼ばれるカギとなる段階にある。世界の通貨供給拡大の流れを前に、中国は気を緩めることなく、穏健な通貨政策を引き続き実施し、緩和と引き締めの程度に注意し、事前調整や微調整を適当な時期に適度に行っていかなければならない」と語った。人民日報海外版が伝えた。
▽14カ国が紙幣増刷合戦に参加
欧州は現在、通貨供給拡大のアクセルを大きく踏み始めている。欧州中央銀行は9日、域内各国の国債の購入を正式に開始し、量的緩和政策を全面的に始動した。毎月600億ユーロの国債その他の債券を購入する計画で、18カ月連続で2016年9月まで続けられる。購入される債券の償還期限は2年から30年となる。
業界関係者によると、欧州中央銀行はここ1年余りにわたって金融緩和政策を取ってきたが、ユーロ経済は低迷を脱することができていない。ユーロ圏の経済成長率は低く、インフレ率は下がり続けており、多くの国はデフレに陥っている。欧州中央銀行はやむなく紙幣印刷機を稼働し、ユーロ圏各国政府の債券を公開市場で購入し、通貨供給量を拡大することによって、物価上昇の推進と経済回復の刺激を実現しようとしている。
日本銀行も3月中旬、既定の規模の量的緩和策を継続することを決定した。毎年80兆円の国債購入を維持し、市場に十分な流動性を供与する。
今年に入ってすでに、10カ国余りが量的緩和合戦に加わっている。欧州周辺ではスウェーデンやデンマーク、ポーランド、スイス、イスラエル、ロシア、アジアではトルコやインド、インドネシア、タイが挙げられる。米州のカナダやペルー、さらにはオーストラリアも金利引き下げを表明している。また韓国の金利引き下げはアジアの国々にとっては意外な選択だった。