このほかシンガポール・マレーシア高速鉄道も現在、各国が落札を競う重点プロジェクトの一つとなっている。昨年2月、マレーシアのナジブ・ラザク首相とシンガポールのリー・シェンロン首相が会談した際、高速鉄道の共同建設についての合意が達成された。マレーシア財務省は、鉄道建設の担当業者をまもなく公開入札の形で選択する。総延長300km余りの同鉄道は、投資額120億ドルが予定され、列車の時速は350kmから450kmに達する。鉄道完成後、自動車で6時間のシンガポールとクアラルンプールの所要時間を約90分に短縮する。現在、中国鉄建や鉄三院(鉄道第三勘察設計院集団)、南車青島四方によって組織された財団が入札参加の意向をすでに明らかにしている。
中国はなぜ東南アジアの鉄道建設への参加を希望しているのか。軌道交通の専門家である同済大学の孫章氏は29日の取材で、「中国はASEAN各国と21世紀海上シルクロードを共同建設しているが、東南アジアは『1ベルト、1ロード』(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)の起点であり、必ず通らなければならない場所となっている。ユーラシア大陸を連結する軌道交通ネットワークの建設を強化することは、地域経済のコネクティビティを後押しするだけでなく、地域の幅広い協力の地縁環境にも有利に働く」と解説する。
これらのプロジェクト以外にも、中国はこれまでも、鉄道関連企業の海外進出を奨励し、周辺諸国に中国の高速鉄道技術を積極的にアピールしてきた。28日、ボアオ・アジアフォーラムに参加していたスリランカのマイトリーパーラ・シリセーナ大統領は習近平国家主席の提案を受け、高速鉄道に乗って博鰲(ボアオ)から三亜に移動した。シリセーナ大統領は中国の高速鉄道の速度と快適さを高く評価した。また李克強総理は27日、中国を訪れたインドネシアのジョコ・ウィドド大統領と会談した際、「インドネシアが制定した今後5年のインフラ建設計画は壮大なものだ。中国政府は、中国企業がインドネシアに赴いて高速鉄道やライトレール、臨港産業パークなどのプロジェクトの建設に参加することを支援する」と述べた。
孫氏は、「日本は長期にわたって中国のアジア市場での主要な競争相手であり、米国と日本が主導するアジア開発銀行という金融の優位性も持っていた。だがアジアインフラ投資銀行ができて、状況は新たな変化を迎えている。少なくとも発展途上国間での相互往来を助け、東南アジア諸国のインフラ建設に益する変化と言える」と評価した。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年3月31日
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