南中国海の島や礁での中国の維持・建設作業に対する一部の国の否定的な評価について、外交部(外務省)の華春瑩報道官は9日の定例記者会見で「こうした建設は中国の主権の範囲内の事であり、合理的かつ合法的で、特定の国に影響を与えず、特定の国を標的にしたものでもなく、非難の余地はない」と表明した。
華報道官は「中国は南沙(英語名スプラトリー)諸島およびその周辺海域に対して争う余地のない主権を有する。中国政府が南沙の一部の島や礁に要員を駐屯させ、建設や施設の維持を行うのは、主に島や礁の機能を整え、駐屯者の勤務・生活環境を改善し、国の領土主権と海洋権益をより良く守り、海上捜索・救助、防災・減災、海洋科学研究、気象観察、環境保護、航行の安全、漁業操業などの面で国際的な責任や義務をより良く履行するためだ」と述べた。
また「中国側は島や礁の拡張工事において科学的な評価や厳しい論証を経て、建設と保護を共に重視し続けており、厳格な環境保護の基準と要求があり、生態環境と漁業保護などの問題を十分に考慮しており、南中国海の生態環境を破壊することはない。今後も中国側は関係する海域、島や礁の生態環境のモニタリングと保護の取り組みを強化する」と述べた。
一部の国の否定的な評価、誤った評価に対しては「中国は平和的発展の道を堅持し、防御的な国防政策を遂行している。南中国海の平和・安定維持は、中国の発展上、安全保障上の利益に合致する。中国側は直接の当事国との交渉や協議を通じた係争の解決を堅持し、ASEAN諸国と共に南中国海の平和・安定を維持し続ける」と強調した。
華報道官はさらに「中国の南沙諸島で大規模な建設作業を行う国に対して何も言わないのに、中国側が自国領土で正常な活動を行うととやかく言う国があることに、われわれは注意を払っている。これは全くのダブルスタンダードであり、公正でなく、建設的でもない」「関係国が南中国海問題で一方の側につかないとの約束をしっかりと順守し、地域の平和・安定にプラスのことをするよう希望する」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年4月10日