また、「一人っ子政策」の緩和の影響を受け、多くの日系企業が女性の採用を避ける傾向にあることが記者の調べで分かった。劉氏によると、約7割の日系企業が採用情報に「男性優先」を求め、中には「男性のみ」希望を明記する企業もあるという。とりわけ、「単独二孩」(夫婦の一方が一人っ子の場合、2人目の子供の出産が認められる)政策が施行されてからは、「女性社員が産休を2回とることへの懸念や、子育ての負担増からくる仕事への影響を懸念するようになっている」と話す。大学卒業後に某日系自動車メーカーで働いて6年目の李欣氏は、「昨年末に子どもを出産した。日系企業は女性の昇進が難しく、今後の発展に期待が持てない」と不安をもらす。
全日空で16年間働き、現在同社中国総務部部長を勤める高莉氏は、「日系企業への就職はますます競争が激しくなっている。私が入社した90年代は日本語の人材が少なく、日本語専攻卒であれば容易に日系大手企業に入社することができたが、今は日本留学を経験した大学院生であろうと、ただ日本語ができるというだけでは特に競争優位とはならない」と語る。
中国日本商会事務局の五十嵐克局長によると、「中国政府が発表した『外商投資企業年末登記』では、2012年末時点で中国には2万3000社の日本企業があるとしているが、すべての工場や事務所を含めれば、この数字を大きく上回る」という。「近年は賃料の上昇や円安などの影響を受け、労働集約型の加工輸出産業は経営困難に陥っているが、先端技術産業や環境、ヘルスケア分野をはじめとするサービス業界は中国市場でビジネスチャンスを迎えるだろう」と語った。(編集IM)
「人民網日本語版」2015年4月17日