研究者はまず、被験者の注意力、動作の記憶、運動感覚といった、一連の認知機能をチェックした後、被験者をプロのグループ(アクションゲームの6年以上のプレイ歴、プロの試合の出場歴あり)とアマチュアのグループ(アクションゲームのプレイ歴が1年未満)に分け、それぞれの「注意範囲」を調べた。パソコンのスクリーンには、初めに1つの物体が現れるが、これが2つ、4つと増加していく。被験者は500ミリ秒内に、スクリーンに物体がいくつ現れたかを瞬間的に識別しなければならない。その結果、アマチュアのチームが識別できた物体は5−8個が限界で、プロのチームは12個以上となった。
被験者は実験の第2段階で、「機能的磁気共鳴装置」を用いた画像解析を受けた。科学者は彼らの脳を詳細に調べ、プロとアマチュアの脳の構造・機能の神経メカニズムを比べた。
島皮質は大脳皮質の一部で、大脳の中心に位置し、「脳の情報中枢」の役割を担う。今回の脳神経科学の実験で分析したのは、この島皮質だ。プロとアマチュアの脳の構造・機能のネットワーク状況を比較したところ、プロの島皮質の神経細胞の数がアマチュアを大幅に上回り、機能の連結性が高かった。
これらの結果から、アクションゲームをプレイすることで、注意力と運動感覚を高められることが分かった。
研究チームは、この効果が日常生活や仕事にも良い影響を及ぼすと判断している。一部のアクションゲームは将来的に、多動症、注意力の不足、脳の麻痺、高齢者の痴呆症などに介入する、便利で安価な代替手段になる可能性がある。また児童の認知機能を高め、高齢者の認知機能の低下を遅らせる、従来とは異なる学習手段になるかもしれない。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年4月23日