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人民網日本語版>>政治

フィリピンに中国・ASEAN関係を翻弄する権利はない

人民網日本語版 2015年04月30日15:37

 ASEAN首脳会議は28日に議長声明を発表した。このうち「地域・国際問題」の部分で取り上げられた最初の問題が「南中国海」だ。声明は南中国海で進行中の埋め立て活動に重大な懸念を表明し、南中国海の平和・安全・安定および航行と上空飛行の自由を維持することの重要性を重ねて表明。南中国海における関係国の行動宣言の全面的で実効性ある完全な実行を各国に求めると同時に、「南中国海における行動規範」の協議プロセスを強化し、実効性ある「規範」の成立を加速するよう促した。(文:華益声・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

 多くのメディアは元々、南中国海問題を今回のASEAN首脳会議の焦点としており、議長声明が発表されるやいなやBBCなど西側メディアは誇大宣伝にいっそう拍車をかけていた。南中国海問題で中国がASEANの集中砲火を浴びているとの幻影を一時的に作り出したようだ。

 南中国海問題「ASEAN化」の急先鋒がフィリピンであるのは明らかだ。フィリピンは南中国海における自国と中国との主権・権益紛争には故意に余り触れずに、南中国海の平和と安定を「脅かしている」と入念に中国を中傷することで、ASEANの利益と自国の訴えとをセットにした。ASEAN首脳会議開催直前にも、フィリピンは時機を捉えて南中国海問題を誇張。アキノ大統領は「南中国海紛争は地域問題ではなく、世界的な問題だ」と述べた。

 フィリピンの力の限りを尽くした活動の下、ASEAN内部では南中国海問題への注目が高まり、フィリピンの「懸念」は他の加盟国に「焦り」を抱かせ、最終的に南中国海問題が議長声明に盛り込まれた。

 だが実際の状況として、南中国海問題はASEANの取り組みの全てではない。南中国海係争に過度に関わっては、フィリピンが目的を果たし、ASEANが損をする結果となる。


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