1947年5月3日、日本国憲法が施行された。この日は後に日本の憲法記念日となった。だが今年の5月3日は、日本の多くの民衆が「護憲」の形で記念することとなった。(文:華益声・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
この日、日本各地では憲法を守るよう呼びかけ、憲法9条改正に断固反対する活動が次々に行われた。横浜市の臨港パークには3万人以上の民衆が集まり、護憲をテーマとした第2次大戦後最大規模の集会となった。日本国民はなぜ「護憲」のために一斉に立ち上がる必要があったのだろうか?これは何を物語っているのだろうか?
日本国民の護憲が「護る」ものは、憲法の核心的精神たる平和主義だ。大いに注目される憲法9条は「日本は、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と明確に定めている。この約束によって日本が戦後平和的発展の道を歩むことが確保された。
日本国憲法は平和主義に基づいていることから、平和憲法と呼ばれる。戦後から現在にいたるまで、平和憲法は日本に対して発展の方向を指し示す役割を果たし、平和的発展の道を確保し、多大な発展も可能にした。日本国民は戦争の苦しみを経験した後に平和な環境の恩恵を受けたため、国が再び戦争に陥ることに断固反対している。
だが国の管理者が右翼路線を突き進んでいることに、多くの日本国民は憂慮し、不安を抱いている。安倍首相は力の限りを尽くして憲法改正を推し進め、すでにそのプロセスを始動している。与党自民党は憲法9条に狙いを定めている。今回の憲法記念日に自民党は声明で、憲法改正草案可決のために引き続き努力するとした。安倍首相は来年の参院選後に憲法改正に向けた国民投票を行うとのタイムテーブルまで定めている。