台湾の人気俳優で、小虎隊のメンバーの1人、蘇有朋(アレックス・スー)が中国の人気女流作家・饒雪漫の小説の中で最も名作と名高い同名小説を映画化した監督デビュー作「左耳(原題)」が、青春映画の興行の中で最大のダークホースとなった。先月24日に公開された同作は、興行収入が5月5日時点で4億元(約77億3200万円)を超え、黄暁明(フアン・シャオミン)と楊冪(ヤン・ミー)主演の「何以笙簫黙(原題)」や范氷氷(ファン・ビンビン)主演の「万物生長(原題)」など同時期に公開された他の青春映画の興行収入を遥かに上回った。
中国最大級のシネコン、UME華星影城の劉暉副総経理は、「『左耳』の突出した興行成績は、公開前の宣伝キャンペーンに大きく関係している。映画の主要キャストと製作陣が北京国際映画祭のレッドカーペットに揃って登場したり、友人の趙薇(ヴィッキー・チャオ)に映画のテーマ曲を頼んだりと、文学的なイメージを打ち出し、観客の期待感を高めた。「万物生長」は公開前の宣伝活動が平凡であったことが、興行収入が伸びない要因の1つになっている。しかも、青春映画を最も好むファン層は90年代生まれの若者であり、「万物生長」はこういった若者たちを惹きつける魅力に少し欠けている」と分析する。
著名な映画評論家・曾念群氏は、「『左耳』はターゲット層を非常に上手く捉え、初めから2、3線都市の地方の若者層に絞って、宣伝を集中的に行っていた」という見方を示した。また、別の評論家、李星則氏は、「『左耳』が成功したのは映画の質の高さであり、キャスト選びもうまかった。特に、2人の少女のスタイルや演技が上手かった。男子生徒を演じた俳優の演技は良くなかったが、顔面偏差値は高かった」と語る。