報告書はフィリピンが1999年に「故意に」戦車揚陸艦を中国の南沙諸島の仁愛礁(アユンギン礁)に「座礁」させたことは認めたものの、フィリピンのこの挑発行為に反対を表明しないだけでなく、反対に中国海警船による仁愛礁での中国の主権を守るための正当な行動に対してとやかく言っている。
これらはいずれも中国に対する米国の偏見とダブルスタンダードを改めて証明するものであり、信服しがたい。
第三に、報告書は中国の正常な国防・軍近代化について勝手な推測をし、台湾海峡戦争という大規模戦区級戦争で第三国の干渉を打ち負かすことのできる軍事能力、すなわち接近阻止・領域拒否能力を発展させていると中国を非難。さらに中国の軍事的発展は透明性を欠くと非難し、「中国が軍事近代化で発展を計画している軍事力には西太平洋上空、海、宇宙、電磁、サイバー領域で敵を遠距離攻撃できる能力を含む」などと言っている。
米国が特定の国の軍事力について年次報告書を発表し始めたのは冷戦時代だ。冷戦はとっくに終結したのに、米側はいわゆる「中国軍事力報告書」を16年連続で発表している。これは中国に対する敵意と偏見をはっきりと示し、双方の相互信頼を深刻に損なうものだ。実際には中国は防御的国防政策と積極的防御という軍事戦略方針を遂行しており、中国による国防建設の強化は国家の主権、安全、領土の一体性を守り、国家の平和的発展を保障することが目的だ。海洋紛争において中国はいざこざを起こさないが、いざこざを恐れもしない。国家の領土主権を守るとの中国側の立場は揺るぎないものだが、同時に対話と協議による領土紛争の解決を一貫して主張している。米側は中国の正常な軍事力発展と海洋権益維持行動に対してあれこれ口出しするのを止め、中国に関する同様の報告書の発表を止め、両国・両軍関係の健全で安定した発展を実際の行動によって後押しするべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年5月11日