自動車市場のトレンドは「低下」だ。中国自動車流通協会がこのほど発表した3月の自動車ディーラー在庫調査の結果によると、3月の自動車ディーラー総合在庫係数は1.77ポイントで、前月比6%低下したが、前年同月比では28%上昇した。ディーラーの在庫状況は警戒レベルを超えており、在庫圧力は引き続き大きい。特に奇瑞、北京ヒュンダイ、ボルボ、ジャガーランドローバー、輸入フォルクスワーゲン(VW)などのブランドは在庫係数が過去2カ月間を上回り、大きな圧力がかかっていることがわかる。業界の分析によると、在庫圧力の増大にともなって、値引きの流れが一層拡大し、5月の自動車市場は全面的に「守りを失った」状態になることが予想されるという。「北京晨報」が伝えた。
まず指摘しておかなければならないのは、現在の値引きの流れは不人気車種だけでなく、人気車種の方がより「大変」だということだ。現在の乗用車売上上位10車種に並ぶ、一汽VWのジェッタ、サギター、ゴルフ、ボーラの新車は2万元(1元は約19.3円)~4万元値引きされ、値引き幅は30%を超える。北京ヒュンダイのヴェルナ、アバンテの値引き幅も30%前後、一汽トヨタのカローラの値引き幅も30%前後をうろうろする。
人気車種の値引き幅が拡大するだけでなく、急成長中のスポーツ用多目的車(SUV)市場にも「低下」ムードが蔓延する。北京ヒュンダイのツーソン、ix35は5万元以上値引きされ、値引き幅は30%を超える。輸入ランドローバーは全ラインにわたり10万元以上の値引きを行い、大人気の独自ブランドSUVである奇瑞のティッゴ、長城ホーバーのH6、比亜迪(BYD)のS7なども価格が揺れ動いている。
今回の値引きの流れは高級車にも及ぶ。BMWの1、3、5シリーズおよびX1シリーズで大幅な値引きが行われたほか、アウディの最人気車種のA4LとA6Lも値引き幅が30%以上に拡大し、ボルボのS60LとXC60も値引き幅が拡大して、8万元以上の値引きが行われている。
同協会はこうした状況を受けて、、「ディーラーは引き続き実際の状況を踏まえて、市場の実際のニーズを理性的に予測し、在庫水準を合理的に抑制することにより、在庫圧力の増大と経営リスクの発生を防がなければならない」と提起する。最新の情報によると、BMWは第2四半期(4-6月)に販売量目標を自ら引き下げて、市場の動きに対応する考えだという。BMW中国と華晨BMWはこのほどディーラーに書簡を送り、2015年第2四半期の販売量目標を引き下げることを発表し、ディーラーは同期の卸売台数目標の85%を達成できれば、車両販売奨励金を受け取れるとした。これはつまり、BMW中国と華晨BMWは内々に販売量目標を15%引き下げたということだ。BMWのこうした動きには必ず追随者が現れるとみられる。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年5月11日