20日に開幕した「2015年上海国際モーターショー」には、「インターネットプラス」の新風が吹きこんだ。アリババや京東商城(JDドット・コム)などの自動車関連EC(電子商取引)プラットフォームを運営する各企業が、本モーターショーをきっかけにビジネスチャンスを拡大、マーケティング力を頼りに、熾烈な戦いを繰り広げている。中国新聞網が伝えた。
専門家は、このような状況について、「政策面でのサポートとEC企業の成長に伴い、自動車関連EC産業の将来性は極めて高い。また、アフタサービスやカーローンなど、さまざまな関連分野でも恩恵に預かることが期待できる。このような環境下で、自動車EC業界に参戦するインターネット関連企業がどんどん増加しており、巨額のマネーが動く『キャッシュバーン(現金燃焼)』合戦が繰り広げられるだろう」との見方を示した。
〇いまや引っ張りだこの自動車EC企業
2015年上海モーターショーの開幕と同時に、国内の自動車ECプラットフォームの戦いも正式にスタート、モーターショーというビッグチャンスを逃すまいと各企業による交戦ムードが高まった。アリババの自動車事業部によると、モーターショー開催中、天猫自動車がランドローバー、MINI、フォードなど各ブランドとタイアップした展示を行っているという。京東商城は、本展の開幕に先立ち、「京車自動車チャンネル」をネット上にアップした。また、会場では、オンライン自動車販売サイトを運営する易車網と提携、開幕初日から「スプリング自動車購入まつり」という特別イベントを開始した。このほか、複数のO2O(ネット上で販促を行い、実店舗の売上につなげる活動)自動車EC企業は、上海モーターショーに出店して、サービスブランドの販促効果を狙っている。
実のところ、自動車EC企業の戦いは、これだけにとどまらない。特に、BAT(中国三大IT企業=百度・アリババ・テンセント)などの関連企業は、今年初めから活発に動き始めた。アリババは自動車事業部を立ち上げた。テンセントと傘下の京東商城は易車網に出資、自動車EC産業に布石を敷いた。百度は、「自動車生産計画」を進行中だ。さらには、ハイヤー配車サービスの易到用車はこのほど、「自動車EC業界参入の可能性は今後、ないとは言えない」と明かした。このところ、自動車業、特に自動車EC企業は、「引っ張りだこ」な状態で、多くのインターネット関連企業が、そのおこぼれにあずかろうと目論んでいる。