偵察衛星や地球観測衛星は頻繁に姿勢と軌道を調整しなければならない。燃料はその作業時間を制限するボトルネックだ。宇宙空間での燃料補給とメンテナンスが可能になれば、その作業時間を大幅に延長し、使用コストを引き下げることができる。中国航天報が伝えた。
中国航天科技集団公司第五研究院第502研究所はこのほど、中国初の全自由度宇宙空間操作・物理シミュレーションシステムを独自開発した。また同システムを利用し、中国初の軌道上での燃料注入などの操作のシミュレーションを行い、中国の宇宙機の軌道上におけるサービス・メンテナンスの発展に向け基礎を固めた。
ターゲットをロックオンし、接近し、キャッチし、燃料を注入する。軽快で連続的な動作で、宇宙ロボとターゲットの「衛星」が息を合わせた。同研究所が開発した軌道上メンテナンス自主制御システムは、動く目標の外観検査と追跡測量、動く目標の宇宙空間三次元運動の識別と予想、多自由度ロボットアーム視覚サーボ、宇宙空間ロボットアームソフトキャッチ技術、宇宙空間ロボットアーム・プラットフォーム調整・制御技術の進展を実現し、宇宙空間のターゲットへの接近、位置の維持、ソフトキャッチ、キャッチ後の軌道上での燃料注入などの作業の地上シミュレーションを実現し、未来の軌道上のメンテナンスロボ・システムおよびその関連技術の実行性に重要な試験と参考データを提供し、第五研究院の軌道上メンテナンス特別論証の順調な展開に向け、基礎を固めた。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年5月12日