シンガポールのウェブメディア「Toggle」は、「虎媽猫爸」がシンガポールで高視聴率を記録した最大の要因は、「ドラマのストーリーがシンガポールの親たちの共感を呼んだからだ」として、「現時点までのドラマの内容は、競争文化の影響を受けた親たちが子供たちを教育する上でさまざまな問題に直面していく様子をリアルに描き出している。これは、中国だけで起こっている問題ではなく、アジア諸国でも同様に起きている問題だ」という見方を示した。
また、ある報道では、「シンガポールの視聴者にとって、このドラマの内容は他人事ではない。シンガポールの親たちは、「負けることを恐れる」という特質を持っている。これは、シンガポール人があらゆるシーンで周りに遅れを取ることを恐れる心理を形容したものだ。シンガポールの子供は幼稚園からさまざまな幼児教室に通い、さらには負けを恐れる両親たちのネット伝言板まであり、多くの親たちがそこで教育の心得などを交換しあっている」と指摘している。
■米国にも学区制による住宅問題はある
欧米の教育スタイルと中国式の教育スタイルの違いは小さくない。しかし、子供の教育問題という点では、中国と欧米の親たちが直面している試練は同じだ。YouTubeで「虎媽猫爸」を見た米国の華僑は、「観点が異なるだけで、それぞれにはそれぞれの問題がある」と率直に述べている。
「虎媽猫爸」の中で、虎媽は子供を重点小学校に通わせるため、もともと住んでいた大きな家と恵まれた生活を捨て、一家で古い「学区房」(有名学校の学区内にある住宅)に引っ越す。「学区房」は中国特有の現象であり、米国などの西洋諸国ではこういった新しい現象はないと考えている視聴者は少なくない。しかし、事実は異なる。YouTubeで「虎媽猫爸」を見た米国華僑のネットユーザーが、「実は米国でも『学区房』はある」と投稿している。
米国では、それぞれの学区内の学校には、同様に優劣の違いが存在し、もし有名な公立の学校に通わせたければ、購入だろうと、賃貸であろうと、どの学校の学区内の住宅なのかを明確に調べなければならない。また、米国の「学区房」と普通の住宅は価格においても極めて大きな差がある。「学区房」の住宅はおそらく周辺の住宅よりも十数%、時にはさらに高くなる。当然、引っ越しをしたくなければ、中国の親と同様に、高額の費用を払って子供を私立の学校に通わせることもできる。
米国に移民してすでに長い年月が経つ華僑の母親は、「『虎媽猫爸』は米国の華人の間で熱い議論を呼び起こしているが、実は米国の状況も大して変わらない。「学区房」を必死で手に入れ、さまざまな習い事に通わせなければならない」と語った。(編集MZ)
「人民網日本語版」2015年5月13日