新たな「中国・中南米協力」はどう新機軸を打ち出すか (2)

　第3に、国際政治・経済秩序のより公正で合理的な方向への発展を共に後押しする。李総理はチリ訪問時に国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会で重要演説を行い、この問題について中国側の見解を明らかにする。自由貿易圏構築は国際秩序の新興国と途上国を向いた方向への発展を中国と中南米が協力して後押しするという使命を担っている。中国とチリ、中国とペルーはすでに自由貿易圏を構築し、中国とコロンビアも自由貿易圏フィージビリティスタディ作業部会を設置しており、将来中国はチリ、ペルー、コロンビア、メキシコなど太平洋同盟加盟国全体と自由貿易協定を締結する見込みがある。習主席の昨年のブラジル訪問時、中国、ブラジル、ペルーは大西洋と太平洋を結ぶ「両洋鉄道」の協力について共同声明を発表した。李総理は今回の訪問で、この国際鉄道のフィージビリティスタディに関する協力文書に署名し、フィージビリティスタディの始動について取り決める。コロンビアは大西洋と太平洋を結ぶ同国の鉄道路線建設への中国の支援を再び求める可能性がある。チリは同国とアルゼンチンを横断して太平洋と大西洋を結ぶ「両洋トンネル」建設への参加を中国側が積極的に検討することを望んでいる。

　こうした分野の中国・中南米協力の深化には政治、経済、人的・文化の3本柱の強固な支えが必要だ。中国と中南米の政治的相互信頼を強化し、互恵協力を深化し、人的・文化交流と文明の相互参考を促進することが、李総理の今回の南米歴訪のテーマとなる。中国と4カ国は文化、教育、科学技術分野の一連の協力文書に調印する。李総理はコロンビアではサントス大統領と共に中国・中南米人的・文化交流シンポジウムに出席し、ペルーでは中国と中南米の文明相互参考に関する活動に出席し、チリでは国交樹立45周年、自由貿易協定締結10周年、チリ「中国文化年」活動などに参加し、中国・中南米関係の「五位一体」という発展の新局面を一段と確かなものにする。

　昨年、習主席の中南米訪問によって新たな「中国・中南米時代」が切り開かれ、実務協力深化、共同発展実現の方向性が示された。今回の李総理の中南米4カ国歴訪は、各分野の実務協力の水準を高めるためのものだ。新たな「中国・中南米協力」は必ずや多くの成果を挙げ、地域の発展を促し、双方の国民に恩恵を与えると同時に、世界の平和と発展の助けにもなると信じることができる。（編集NA）

　「人民網日本語版」2015年5月18日