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外国映画に頻出する翻訳問題 ただの間違いではない (2)

人民網日本語版 2015年05月26日15:25

翻訳問題に遭遇した外国映画は「アベンジャーズ2」が初めてではない。2014年に上映となった「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」はネットで少なくとも40カ所の間違いを指摘された。意味上の間違いだけでなく、翻訳のスタイルが場違いなのも非難を受ける。2012年に上映された「メン・イン・ブラック3」の字幕には、「地溝油」(下水油、廃食用油のこと)や「坑爹」(はめられた)、「穿越劇」(タイムスリップドラマ)など最近の国内の流行語が散りばめられ、「外国人の口に中国の流行語を押しこむとは」と呆れられた。

▽文化の差異、締め切り、吹き替え 適切な翻訳の難しさ

外国映画の翻訳問題は中国だけの現象ではない。各国の文化的な背景や社会の違いは映画のセリフに直接反映され、翻訳での誤解も生まれやすい。「フランス語やドイツ語などの外国語の米国での翻訳も難題となっている。欧州のスラングや方言をいかにこなれた英語にするのかは難しい。文化の差異のためだ」と映画評論家の譚飛氏は指摘する。

「メン・イン・ブラック3」の字幕翻訳を務めた八一制作所の若手翻訳家、賈秀琰さんは、翻訳時間に余裕が無いのとネット環境の発展で、外国映画の翻訳に速度と適切さを求めるのはますます難しくなっていると語る。「ハリウッド映画は上映前の修正や調整などがよくあり、翻訳に当てられる時間は限られていて、7、8日しかない。それに映画の吹き替え版には吹き替え作業もある。中国語と英語の文法や順序の違いもあるし、セリフと俳優の口の形が合っている必要もある。翻訳した字幕はこうしたことを考慮して調整される」

ネット上で外国の映像作品を見る人はご存知だろうが、ネット上で活躍している各種の字幕翻訳チームは字幕で観客を笑わせたり、原作にない話を加えたりして人気を集めているケースもある。だが「映画館で上映される場合は、しっかりした品格のある翻訳が求められる。映画館に来るのは大人だけでなく、未成年も少なくない。汚い言葉が原作で使われていたとすれば、これをいかにきれいに言うかも、翻訳者にとっての試練となる」と博納影業の配給総責任者の劉岳東氏は語る。

外国映画に本土の流行語を入れることについて、ある関係者は、「個人によって判断は違うだろうが」とした上で、映画の本来の意味を残し、観衆の感情移入を容易にするためには、流行語の使用には慎重にならなければならないと指摘する。「映画の翻訳はもとの言語環境や文化背景から切り離せない。これを無視すると悪ふざけになってしまう」(編集MA)

「人民網日本語版」2015年5月26日


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