熱血アニメは一貫して日本の「アニメ文化外交」の切り札だった。しかし、21世紀に入ると、日本の熱血アニメに大きな変化が見られるようになった。この変化は深く広範囲にわたっており、そこには作品の世界観やテーマの思想が体現されている。アニメの観点から日本を見ると、この変化は大げさなものだとは絶対に言えない。実際、新時代の熱血アニメはマジックミラーのように、我々に日本の国際的地位の変化を捉えさせ、国家のイメージ構築の重要な転換点をはっきりと示している。光明日報が伝えた。
■熱血アニメの熱血は過去のもの
我々の記憶の中にある日本の熱血アニメといえば、すべて強気な姿勢を示したものだった。漫画家・鳥山明の「ドラゴンボール」(1984)が登場して以降、「7つのドラゴンボールを集めると、願いを叶えてくれる神龍を呼び出すことができ、宇宙を制覇できる」といった類の「世界制覇思想」が、熱血アニメの中に蔓延し始めた。その後、90年代からは、政府が打ち出した「マンガ外交」や「クールジャパン」の政策による支援を追い風として、多くの熱血アニメが海外に進出し、世界各地に広まっていった。
海外でも人気の「ハンター×ハンター」(1998)、「シャーマンキングFLOWERS」(1998)、「NARUTO -ナルト」(1999)などの熱血漫画も世界制覇を達成し、王座を手に入れるというテーマが描かれている。「スラムダンク」(1990)は、スポーツ界で王者になるという熱血スポ根漫画の金字塔だ。その後に出現するこれと類似したアニメ・漫画もすべて「日本一」を目標としている。
物語のプロットが似ているのは成功作を手本にした結果であると言えるが、テーマを同じくする思想の踏襲は、深く考えさせられるところがある。1989年に神戸大震災が起きた後、1990年から日本の不動産バブルは崩壊過程に入っていった。その後、日本は15年間の不景気と低迷に陥り、歴史上最も長い経済衰退期に入った。