▽製品の海外進出から企業の海外進出へ 国際市場の道を選択
日本の埼玉県熊谷市で3月19日、投資額70億円・敷地面積1万2426平方メートルのハイアールアジア研究開発センターの開業式典が行われた。記者は、数十社の日本メディアの記者とともにこの研究開発センターを見学したが、日本の記者からは時折、感嘆の声が聞かれた。
日本で最も長い歴史を持つという家電系オンラインマガジン「家電WATCH」の阿部夏子編集長は、家電分野で手強いライバルのいる日本でハイアールが伸びているのは、消費者のニーズを捉え、不必要な機能を落とし、簡単で割安の商品を開発しているためだと分析する。ハイアールは日本の家電界に革命を起こしており、同社が今後どのような優れた製品を打ち出すかに期待が集まっている。
中国の多くの家電メーカーと同様、ハイアールは1980年代から輸出を開始していた。他社と違ったのは、ハイアールが1998年に国際化戦略を開始し、製品の海外進出から企業の海外進出への道を選んだことである。
海外進出から10年余りになるが、ハイアールは、製造・販売・研究開発を「三位一体」の戦略を堅持してきた。日本を例に取れば、日本が家電不況にあえいだ2011年、ハイアールは100億円を出資し、パナソニックから三洋電機の日本と東南アジアでの白物家電業務を買収した。研究開発センター1カ所と生産工場4カ所、さらに5カ国の販売ルートが手に入り、譲渡特許は1200件を超えた。2012年、ハイアールアジアの本部と研究開発センターが大阪に設けられ、三洋傘下にあったブランド「AQUA」に改造を加え「Haier」とのダブルブランド戦略を取ることが発表された。買収から1年後、AQUAブランドの売り上げは350億円、ハイアールブランドの売り上げは150億円で、売上額は合わせて500億円を超え、前年比4.5倍増となった。ハイアールアジアは日本市場で売上額トップ5に入り、白物家電の外資トップブランドとなった。