アフガニスタンのバーミヤン大仏の再現に使用されたのは空間投影技術だ。張氏によると、投影によりかつての遺跡を復元するためには、まず多くの研究と考証により、遺跡の当時の様子を明らかにする必要がある。「アフガニスタンのこの大仏は最近破壊され、多くの資料が残されている。一部の写真や映像資料により、以前の様子を知ることができる」。
張氏は、「その後は3D再現の過程に入る。研究者は集められたデータを通じ、投影の最後の仕上げにとりかかる。3Dデジタル模型の再現を終えた後、さらに現場の環境的条件の分析と研究を行う。現場では主に投影画像をつなぎ合わせる技術を使う。盧舎那大仏の投影技術による再現を例とすると、我々は25台のプロジェクターを使い現場で画像をつなぎ合わせた。これには画像の端と端を融合させ幾何補正する技術を、遺跡の現場で調節する必要がある」と話した。張氏によると、私たちは現在、このような技術に接する機会がよくあるという。例えばドームシアターで映画を鑑賞する場合、通常ならば数台のプロジェクターの画像をつなぎ合わせる。張氏は、「2008年北京五輪の開幕式で、元体操選手の李寧氏が鳥の巣(北京国家体育場)の上空で聖火を灯した。体育場の上空のすべてが画像で、この技術が活用された。現在はバーチャルリアリティ、拡張現実、イメージホログラフィー、モバイルネットワーク、没入型デジタル体験などの技術により、文化遺跡のかつての風貌をそのまま再現することが可能だ」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年6月15日