中国や日本のその他の総合電機メーカーと比べて、パナソニックは製品の数が多く、産業チェーンが長いのが最大の特徴だ。パナソニックは2012年に7千億円の赤字を計上、2013年には再び7千億円の赤字を計上した。筆者は日本企業を観察するようになって30年あまりが経つが、2年連続で7千億円の赤字に陥った企業はパナソニックが初めてだ。中国経済週刊が伝えた。
しかし、パナソニックは産業チェーンが長いため、収益が低い事業を売却し、より時勢とニーズに合う商品に人力と物資を投入し、危機的状況から脱出することができた。
▽現行のやり方では黒字化は困難
大阪で、パナソニックチャイナの大澤英俊総裁に取材をする機会があった。パナソニックは2012年~13年の危機から脱出し、2014年には1200億円の黒字を実現したが、経営モデルの変化について問うと、大澤総裁の顔が曇るのが見て取れた。
大澤総裁は「単品販売の時代は過ぎ去った。しかしモジュール化がどんな形式となり、そこからどのようなビジネスチャンスが得られるのか、まだ結果はわからない。黒字化を実現するには多くの困難がある」と語る。
現在、中国であれ、日本や米国であれ、冷蔵庫やカラーテレビなどの家電のみに頼るメーカーは、赤字にならなければ十分幸運と言える。家電だけで大きな利益を上げられる時代はまもなく過去のものになる。その技術がどんなに先進的で、市場が大きくても、国民経済の発展をけん引することはできない。
大澤総裁は「家電はパナソニックの総売上高のうち、18%前後を占めるにとどまっている。今後も発展はするが、車載やエネルギー貯蔵などその他の事業の発展の方が速い。家電が20%以上のシェアを占める可能性は小さい」と指摘した。多くの新技術や、刻々と変化するデザインは、消費者のニーズをよく満たしているが、家電事業が企業全体に占める割合を引き上げることは、簡単ではないようだ。