北京の中山音楽堂で7月11日、「あなたと上の空(我想和你虚度時光)」と題するコンサートが行われた。約1000人収容の同会場で行われたこのコンサートのチケットは1カ月前に完売。歌手は日本で活躍するシンガーソングライター程璧(チェン・ビー)だ。
シンプルなワンピースに三つ網にした黒髪、透き通る歌声の程璧に対する、第一印象はというと、「上品でもの静か」だった。ツアーの最終会場となった中山音楽堂は満席になった。北京のほか、杭州、上海、成都、広州、香港で行われたコンサートは全ての会場が満員になった。信じがたいことかもしれないが、ステージ上に立つ程璧は音楽を専門に学んだ歌手ではない。24歳になるまで、程璧自身も歌手になるとは想像もしてなかった。
1987年に山東省浜州市で生まれた程璧は、子供のころから祖母の影響で、詩を読んだり書いたりして育った。2009年、北京大学の修士課程で日本語を学ぶようになり、10年には交流生として日本を訪問した。その日本訪問が彼女の人生を大きく変えることになる。