「なぜ、中国を選んだのか」との質問に、北京師範大学文学学院で古典文献学の博士課程で学んでいるシンガポール人留学生の林麗清さんは、「中国文化が魅力的だから」と即答した。中学生の時、1週間に中国語の授業が2時間あり、林さんは、「老吾老以及人之老、幼吾幼以及人之幼(吾が老を老として以て人の老に及ぼし、吾が幼を幼として以て人の幼に及ぼす)」や「己所不欲、勿施于人(己の欲せざる所は人に施すことなかれ、自分がして欲しくないことは人にしてはならない)」などの中国のことわざに惹かれた。「『琅琅上口(詩文などがすらすらと口から出る)』という四文字熟語にはたくさんの意味が詰まっている」と林さん。
中国の儒教の文化は、東南アジア諸国にも大きな影響を与えている。近年、それら地域から中国に留学する学生も急増している。タイを例にすると、ここ10年で中国に留学した学生は6倍近く増加した。
中国の経済発展が留学生のキャリアにプラス
北京交通大学の博士課程で学んでいるオーストラリア人の男子学生は、「中国経済は非常に力強いため、ここで国際貿易を専門に学んでいる。今、中国人のガールフレンドがいる。中国で家庭を築くか、帰国してオーストラリアと中国の貿易に関わる仕事をしたい」と語る。
1978年の改革開放から30年以上が経ち、中国は世界経済の成長を牽引するようになっている。そして、中国の急速な発展は、従来の世界政治や経済構造に変化をもたらした。中国の国力が強化されるに従い、中国に留学する多くの学生が学位を取れる課程で学んでいる。
古くから中国と親交が深いアフリカから中国に来た留学生の84%が「学問を探究するため」に学位が取れる課程で学んでいる。中国のアフリカに対する投資は急速に増加しており、03-13年の10年間で、50倍も増加した。このように、中国とアフリカの経済交流が日に日に密接になっているため、多くのアフリカ人が中国に留学するのも不思議ではない。