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武藤秋一氏・「従軍日誌」の序文 「責任を背負うことは重荷を下ろすこと」 (2)

人民網日本語版 2015年10月20日13:50

一人の平和主義者として、一人の息子として、作者・田中信幸氏は我々を、父・武藤秋一氏の内的世界へと案内する。父子二人の魂のぶつかりあいと救いとは、これまで知られることの少なかった戦時の日誌と300点余りの書簡とを公開し、日本の中国侵略の歴史をもう一つの側面から明らかにすることを可能とした。本書は我々に、一人の侵略者の日常生活を垣間見せる。大砲がすぐ傍で鳴るのを聞き、震えるほどの恐れを感じる。戦友が強姦と慰安婦の話を平気でし、感覚が徐々に麻痺していく。さらには中国の兵士を殺す時、一抹の興奮さえ覚えるようになる。人間と人間性を戦争がいかに破壊し、害悪を及ぼすかが、文中にまざまざと描き出される。

田中氏は、父の人生に近付こうと努力した。そして、認めないことは存在しないことを意味するものではなく、過去の罪を否定したり隠したりすることは魂の解放をもたらさないという真実を明らかにすることとなった。「父さんらがやった戦争は侵略戦争だったのだ」と息子に言われた父は最初、拒否と憤怒でこれに応えた。しかし最後には、「自分の加わった戦争が侵略戦争だと認めてしまえば、自分の人生すべてを否定することになる。それが恐ろしい」という本音を語るようになる。戦争をめぐる父子の対話は10年余りにわたって続いた。作者はまた父となることで、責任の重さをさらに深く理解するようになったという。「私はあなたとともに、あなたの参加した侵略戦争の責任を背負う。我々はこれからともに前を向き、明るく暮らしていくことができる」。戦争責任に向き合うということは、父の世代の人生に失敗の烙印を押すことではない。父の代と自らの代、さらには子どもの代が、頭を上げて未来を求めることを可能とし、和解と平和のために貢献するという人生の成功をもたらすものである。

このような人生を送るには、強固な信念と長期的な展望が必要となる。日本の右翼はこれまでも、歴史の責任をまっすぐに背負おうとする人を「売国奴だ」「自虐史観だ」と罵ってきた。だがこれらの日本人の平和事業を支えているのは愛国の心である。人民日報社記者の取材を初めて受けた田中氏は、「中国の『人民日報』の取材を受けたら、これまでの百倍の罵声に遭うかもしれない。だが心の準備はできている。なぜなら私は本当の愛国者であり、日本を心から愛しているからだ。日本の未来のためには、自分が立ち上がり、より多くの日本人に、過去の侵略を真面目に考え、反省するように呼びかけなければならない。私の国が二度と同じ過ちを繰り返さないためだ」と語り、聞く人に衝撃をもたらすものだ。


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