北京の故宮博物院は2日、日本の凸版印刷株式会社と、「故宮文化資産デジタル化応用研究」の第4期プロジェクトの調印を行った。中国文化報が報じた。
故宮博物院の単霽翔院長によると1期を5年とする同プロジェクトは2000年より始まり、これまで3期が終了した。同プロジェクトは、最新のデジタルアーカイブ技術を利用して、バーチャルリアリティ(VR)などの手法で、故宮の文化遺産を世界に紹介することで、中華の伝統文化を一層効果的に展示、宣伝することを目指している。
故宮と凸版印刷は03年に、「故宮文化資産デジタル化応用研究所」を設立した。中国の文化博物界で、海外の機関と提携研究機関を設立したのはこれが初めて。紫禁城空間を再現する故宮VR「紫禁城・天子の宮殿」の共同製作を進め、これまでに6作品が完成。研究所内部に設置されたVRシアターや北京オリンピックタワー内の故宮シアターで一般公開されている。現在、研究成果のモバイルインターネットの環境下での運用推進に力を入れており、「内廷」をデジタル化した「養心殿」を基に、VRメガネを開発。インターネットを利用して、オンラインで乾隆帝の書斎「三希堂」や陳列品を「見学」することができるにようになっている。
「人民網日本語版」2015年11月3日