銘文の放送、花輪の献上、国家斉唱が行われるなか、余命いくばくもない老人たちは、とめどなく溢れる涙をしきりに拭っていた。
90歳近い生存者の夏淑琴さんは、12月13日が近づくにつれ、気持ちが重くなっていくという。78年前のこの日、南京が陥落し、一家9人の幸せで安らかな暮らしが一瞬にして打ち砕かれ、彼女と妹の2人だけが残された。夏さんは、式典の最中ずっと泣き続け、一言も言葉を発することはなかった。
89歳と高齢の李高山さんの気持ちは、さらに複雑かもしれない。南京保衛戦に参加したこの老兵士も、生存者代表の1人だ。老人は、「国家が営む追悼式は、歴史を銘記する行動だ。我々市民も、今この時、『遅れを取るとたたかれる』という教訓を、しっかりと心に刻まなければならない」と話した。李さんは昨年、脳卒中に見舞われたが、幸いにも自分の足で歩いて、今回の追悼式典に参加することができたという。「私は、この世に命がある限り、証言し続ける」と彼は決意を新たにした。
記念館の統計データによると、南京大虐殺の生存者はわずか100人余りとなり、平均年齢は80歳を超えた。2014年1月から現時点で、40数人の生存者がこの世を去った。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年12月14日