生地をのばし、卵を割り、甜麺醤を塗り、薄上げクラッカーを撒き、丸めるとアツアツの煎餅(ジェンビン)ができ上がる。これは中国の街でよく見かける露店の煎餅で、目新しくはない。実はこれを作っているのはラージンさんというニューヨークの青年だ。彼の「ラージン煎餅屋台」商売は大人気で、並ばないと食べることができない。
ニューヨークで生まれ育ったラージンさんの前職は金融会社の会社員だった。1998年、彼は北京の首都経済貿易大学の交換留学生として中国を訪れた。最初に北京で煎餅を食べた時、彼はこの味に「一目ぼれ」をした。その後の十数年間、米国、シンガポール、香港地区を転々とし、世界のグルメを味わってきた。しかし彼は早朝の北京の古い町並みに漂う煎餅の香りをずっと忘れられなかった。本格的な技法を習得するため、ラージンさんは北京市、天津市、河北省合わせて40箇所の煎餅屋台を食べ歩いたのち、最終的に北京の東直門にある煎餅屋の主人のもとで修行をすることに決めた。当時、まだ香港で仕事を持っていた彼は毎週末になると北京へ飛び、煎餅の作り方を学んだ。3年前、ラージンさんは香港で煎餅屋台一号店を開店、トライアルに成功した。その後、彼は本業の仕事をきっぱりと辞め、煎餅屋台の商売に専念し始めた。(編集JK)
「人民網日本語版」2015年12月21日