「捉妖記」の公開初日の興行収入は1億6810万元(約19億9734万円)、これに対し「尋竜訣」は1億6840万元(約19億9790万円)で少ししか上回っていない。しかし公開初日に加え公開した週の週末を入れると、「捉妖記」は5億3450万元(約94億円)、「尋竜訣」は6億元(約112億円)近くにのぼる。また口コミの拡散においては「尋竜訣」の口コミのほうが好評である。「捉妖記」より好スタートを切り、(実際、国産映画における最高のスタートである)、「尋竜訣」はさらに大きな潜在能力を秘めている。何といっても元になった書籍「鬼吹灯」は膨大なファンを獲得しているが、「捉妖記」にはこの優位性が全くない。映画のテーマとしては、「尋竜訣」は幅広い観客層であるのに対して「捉妖記」は比較的低年齢層向きで、若者層に合っているということから夏期映画期間に封切された。
中国映画の新たなベンチマークとして
今年、小説「鬼吹灯」をリメイクした映画は2本、陸川(ルー・チューアン)監督の「九層妖塔」(Chronicles of the Ghostly Tribe)と烏爾善監督の「尋竜訣」だ。「画皮2」(邦題:画皮2-真実の愛)のあと、烏爾善&陳国富(チェン・クォフー)のオリエンタルファンタジーの組み合わせは頭角を表し、このことで特殊な視覚効果が「尋竜訣」の最大の見どころになっている。映画の70%以上は地下の墓穴でストーリーが進行するが、暗めの画面においても3D効果に目が釘付けになる。ある観客は「『尋竜訣』の特殊効果とストーリーは融合しており、一体化している」と評価している。
書籍、音楽、映画などの情報コミュニティサイト豆瓣網はいつも比較的厳しい評価を下しているが、この商業大作には8.0という高ポイントを出した。ハリウッドに匹敵する特殊効果のほか、同サイトの観客によるレビューから見ると、この映画は最も認められている映画である。更に「ユーモアあふれるコメディ」の要素と「感動的な」要素が含まれており、ストーリ―展開は笑いあり涙ありで感動させられる。(編集JK)
「人民網日本語版」2015年12月22日