全世界で10億人以上の人がきれいな水を飲む術がなく、それが原因で88%近くの人が病気になっている。米国のカーネギーメロン大学出身で現在はバージニア大学で研究に従事しているテレサ・ダンコヴィッチ博士が、この状況を改善するために「飲める本」を研究開発した。それぞれのページにはナノスケールの銀または銅が含まれており、破り取りろ紙として使用でき、ろ過された水の水質は米国の水道の蛇口から流れ出る水とほぼ同様にきれいな水だ。
飲料水の確保が困難な地域にとっては朗報だ。ダンコヴィッチ博士は「紙を一枚破り、簡単な筒状のろ過装置に置き、河川や井戸などの水をかけると、ろ過されたきれいな水が出てくる。微生物がナノスケールの銀や銅に吸着し、殺菌効果をもたらす」と話す。彼女の実験によると、1枚で約100リットルの水をろ過できるという。これは1冊の本で1人分の飲料水を4年分提供できることを意味している。(編集JK)
「人民網日本語版」2015年12月31日