賀さんの父・賀普仁氏は「賀氏鍼灸」の創始者で、2009年に中国初の「国医大師」の栄誉を受けている。賀さんさんは中学生の頃からそんな父の下で鍼灸を学んだ。80年代末、北京中医学院(現北京中医薬大学)を卒業後、「日本で鍼灸を広める」という夢を胸に訪日した。
診療所開設当初は、訪れる患者は非常に少なかったが、賀さんが治療する患者が増えるにつれ、その効果が伝わり、「精誠堂鍼灸治療院」の名は日本の津々浦々に広まっていった。その証拠に、診療所には日本各地から患者が訪れ、噂を聞いて海外から訪れる人までいる。年齢も下は8歳から上は100歳まで。どんなに忙しくても時間を割いて本を書き、中国鍼灸の講座を開いて回り、日本のテレビ番組でその魅力を紹介する。2011年の「3・11東日本大震災」の後には福島へ治療ボランティア活動を行った。
日本には多くの鍼灸を専門とする学校があるが、針具や治療方法、治療範囲も中国の伝統的なそれとは異なるという。賀さんの診療所は日本で唯一中国の伝統鍼灸を施す総合診療所なのだ。「一番嬉しいことは患者が笑顔になって帰っていくこと」と賀さん。夢は世界各国の人々が鍼灸を特色とした中国医学と西洋医学を融合させた医療を受けることができ、鍼灸を通じて免疫力を向上させ、より多くの人が幸せな暮らしを過ごせるようになることだと語った。(編集IM)
「人民網日本語版」2016年1月4日