これまでに、オンライン・トラベル・エージェント(OTA)の一部では春節のオーストラリア団体ツアーの予約が前年同期比120~150%増加したという。昨年の春節期間には中国人観光客約45万人が日本を訪れたが、今年は記録を更新する見込みだ。
途牛のモニタリングデータをみると、今年1月19日までに、春節海外旅行ツアーの予約が前年より大幅に増えている。今年も近場に人気があり、大晦日までの3日間と年明け2日目、3日目に出発するツアーが一番人気だ。予約状況をみると、海外長距離ツアーはもうすぐ売り切れで、米国、欧州、モルジブなど昔からの人気旅行先に引き続き人気があるほか、オーストラリアやロシアが旅行市場のダークホースとなり、近場でビザが要らない島へのツアーも完売間近だ。
旅行サイト・携程旅行網はさきに2016年の「中国人観光客が行くべき海外旅行先番付」を発表し、個別番付として「10大人気海外旅行先番付」や「10大新興海外旅行先番付」なども発表した。中国の1億人を超える海外旅行客の今年の動向を占うバロメーターの同番付は、10大旅行先として、日本、タイ、韓国、米国、シンガポール、オーストラリア、ロシア、インドネシア、英国、ニュージーランドを挙げた。
この番付は15年から16年にかけての春節期間の1千万人を超える海外旅行客の予約情報を総合したビッグデータでもあり、携程の数百人に上る海外旅行専門家が専門的な角度から選んでいる。
携程観光事業部の兪嵐ゼネラルマネージャー(海外旅行業務担当)は、「中国国民の可処分所得の増加、各国の対中ビザ発給要件の緩和、航空輸送能力の増大にともない、2016年の中国国民の海外旅行は引き続き力強い伸びを示すとみられる。16年に中国人観光客が注目する3つのキーワードは、サービス体験、コストパフォーマンス、安全性だ」と話す。