日本が旧暦からグレゴリオ暦へ移行して100年以上になり、春節の要素がお正月の行事にも残されているものの、形式的には「春節」の影はもうない。それでも、中華街があることで有名な横浜や神戸、長崎などでは長年、華僑・華人らが伝統的な春節を祝ってきた。しかし、春節関連のイベントが大々的に行われるようになったのは、近年になってからのことだ。
李天然・駐福岡中国総領事は、名古屋で総領事を務めていた10年前に初めて春節祭を企画した時のことを今でもはっきりと覚えているといい、「当時、名古屋で春節祭が今に至るまで毎年行われ、さらに、日本の各地でもそれが行われ、大人気になるとは思ってもいなかった。春節祭が人気となっているということは、民間の草の根交流や文化交流は大きな生命力があることを示している。中国の春節文化と日本の『祭り』を組み合わせ、華僑・華人の心のよりどころとなっているだけでなく、日本人に親しまれるイベントとなっている。もちろん、その背後には中国の急速な発展がある」との見方を示す。