「代理購入」ビジネスが、板挟みの状況にありながら順調な発展ぶりをみせている。市場ニーズの影響で、中国人の代理購入業者が取り扱う商品のバリエーションが広がっている。
周知のように、中国の中産階級世帯は欧米のぜいたく品に対して旺盛なニーズがあり、ブランドものの衣類やアクセサリー、靴類、カバン類は海外代理購入業者が真っ先に取り扱う商品だ。データによると、2015年の中国人消費者の海外ぜいたく品消費額は910億ドル(約10兆3703億円)に達し、消費量の増加率は22年まで毎年8%を維持することが予想される。
ブランドものの衣類やアクセサリーだけではない。海外産の粉ミルクや健康商品も品質が確かなことから中国の若いママたちに人気がある。長年のドイツ滞在経験があり、今は2児の母の王さんは、数年前にひょんなことから中国の友人のために粉ミルクを代理購入したことがきっかけで、淘宝(タオバオ)に代理購入の店舗を開設した。スタート当時は取扱商品がごった煮状態で、粉ミルク、健康商品はもとより、台所用品、羽布団などの生活用品から、油絵やドイツの中古不動産のような大きなものまでさまざまな商品を扱っていた。しばらく運営してみて、テーマを絞った方がよいと考え、現在は粉ミルクなどのマタニティ・ベビー用品を中心に手がけている。
生鮮食品は粉ミルクなどに比べ、貯蔵や輸送が難しいことからこれまでは代理購入業者の視界に入っていなかった。だが中国・オーストラリア自由貿易協定(FTA)が発効し、中国税関がオーストラリア産生鮮食品の快速検査ルートを開設したことが、オーストラリア在住の中国人代理購入業者のビジネスに大きな便益をもたらした。何さんはシドニー在住の代理購入業者で、これまで毎週中国に粉ミルク60缶と健康商品40本を送っていたが、今ではサクランボ、マンゴー、桃などの果物が72時間で中国に到着するようになったため、今後はオーストラリア産の果物や海鮮の取り扱いを検討しており、輸送業者が氷蔵での海外輸送をサポートするという。
代理購入を思いつかないものはあっても、代理購入できないものはない。衣食住や交通などの生活に必要な商品だけではない。米国で今年盛り上がる宝くじブームは、米国の宝くじファンを巻き込んだだけでなく、遠く離れた中国の宝くじファンにも火を付けた。大勢の中国人が「微信」(WeChat)などを通じ、米国在住の中国人を介して米国の宝くじを購入したという。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年2月15日