これら100例あまりの解凍受精卵のうち、凍結した時期が最も古いものは2006年に遡り、保存期間が8年に及ぶものも2例ある。
幸いなことに、1月下旬、10年前に凍結された受精卵が、解凍後母親の子宮に戻され無事に着床し、母親は妊娠した。この妊婦は今年38歳、10年前に体外受精技術で子供を一人もうけた経歴がある。
この夫婦は、なぜ通常の妊娠を選ばず、10年前の凍結受精卵での妊娠を望んだのだろうか?同センターの黄学鋒・センター長は、「これらの夫婦は、加齢による生殖能力の低下のために、今の自分たちの精子と卵子の質が昔より落ちているに違いないと考えた。よって、10年前の受精卵で妊娠することを決めた」と説明した。
現在、同センター受精卵実験室の液体窒素缶には、合計3万例以上の受精卵が保管されている。これらの小さな命はいずれも、解凍後母親の子宮内に戻されて育つ可能性を持っている。
黄センター長は、「これから、病院では受精卵解凍のピーク期を迎えるだろう」との見通しを示した。