地震多発国である日本とエクアドルはいずれも、世界で最も主要な地震帯である環太平洋地震帯の上にある。同地震帯の上には、海溝・島・火山があり、馬蹄形のような形で太平洋を囲んでいる。世界の浅発地震の80%以上、ほぼすべての中・深発地震の発生は、同地震帯に集中しており、英語で「火の輪(Ring of Fire)」とも呼ばれている。新華社が報じた。
プレート境界の種類から見ると、日本とエクアドルのプレート境界はいずれも「収束型境界」に属している。収束型境界の上では、2つのプレート同士に圧縮力が働き、強烈な地震、火山、構造変形活動を誘発する。米国地質調査所は、「エクアドルの地震は、ナスカ・プレートと太平洋プレートの相互作用により、九州の地震はフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下で急に沈み込んだことで、それぞれ発生した」との見方を示している。
地質学の専門家は、これまでにも、「地震発生リスクの高い地域で頻繁に地震が発生するのは、正常な地殻活動の結果であり、強烈な地震の発生頻度に世界的な変化が起こった訳ではない」と繰り返し指摘している。中国地震ネットワークセンター予報部の蒋海昆部長は17日、「スマトラ島沖で2004年にM9の地震が発生した後、世界各地でM8レベルの地震が頻発した。これは、大地震が頻繁に起こった前世紀前半の状況に似ている。最近の様子から見ると、M7レベルの地震が多発している地域は、アルプス・ヒマラヤ造山帯と環太平洋地震帯に集中している」と指摘した。
蒋海昆部長は、「世界全体が『地震活動期』に入ったという結論を出すには時期尚早だ。今回の九州の地震とエクアドルの地震が関係していることを示す直接的な物理的根拠はない」との見方を示した。
●中国への影響はあり得るか?
蒋部長は、九州の地震が中国に及ぼす影響に絡み、次の通り説明した。
中国地震ネットワークセンターは、日本で発生する地震を引き続き注視していく。客観的に言えば、日本の地震が中国に及ぼす影響は、かなり緩やかなものと思われるが、アルプス・ヒマラヤ造山帯は、インド・プレートとチベット地塊が「正面衝突」していることから、青蔵(チベット)高原地塊の東端にある南北地震帯と西端にある天山地震帯に対する影響が注目されている。さらに、インド・プレートの動きがかなり速く、中国大陸部を北東方向に押す作用も比較的強いことも、中国にある程度の影響を及ぼすと予想され、専門家は同プレートの動きに特に注意している。
アルプス・ヒマラヤ造山帯では、昨年、ネパール地震が発生し、M8の本震が「一連の」M7以上の余震をもたらした。このあと、タジキスタンで12月にM7.4の地震、アフガニスタンでは今年4月にM7.1の地震が発生した。これらの地震はいずれも、アルプス・ヒマラヤ造山帯の西端で起こった。西端に比べ、東端は長い間落ち着いた状態が続いていた。だが、今年4月13日、ヒマラヤ山脈東端のミャンマー・インド国境地帯でM7.2の地震が発生した。
このような一連の地震から、アルプス・ヒマラヤ造山帯の東西2つの「触角」が、昨年のネパール地震後、中国大陸部を押す力を強めていることが分かる。よって、我々は、南北地震帯の中東南部分と天山地震帯が原因となって今後起こりうる地震の危険性に、非常に高い関心を払わなくてはならない。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年4月18日