アジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群総裁は13日に米国ワシントンで、世界銀行のジム・ヨン・キム総裁と初の共同融資枠組合意に調印した。これにより双方の年内の協力の基礎がうち立てられた。新華社が伝えた。
世銀が同日発表したコメントによると、この合意では双方の協力プロジェクトにおける共同融資のおおよその規模が定められ、今後の協力の土台になるという。
世銀とAIIBは現在、12件の共同融資プロジェクトを検討中で、中央アジア、南アジア、東アジアなどの地域における交通、水道、エネルギー分野でのプロジェクトが含まれる。合意に基づき、共同融資プロジェクトの調達、環境影響評価、社会保障などの方面での準備や監督管理は世銀のルールを踏まえて行われることになる。
金総裁は同日、「世界銀行がAIIBの発足段階に惜しげもなく、タイミングよく支援を提供してくれることに感謝する。AIIBは双方がプロジェクトへの共同融資やその他の分野で長期的かつ成果の豊富な協力を展開することを願う」と述べた。
キム総裁は同日、「今回の合意に調印したことで2つの機関が開発プロジェクトに共同出資できるようになり、世銀と新しいパートナーが世界における巨大なインフラニーズへの対応で重要な一歩を踏み出したことになる」と述べた。
コメントによると、AIIBは今年、開発プロジェクト支援に12億ドル規模の融資を充てることを認可する予定で、そのうち世銀が参加する共同融資プロジェクトが大きな部分を占めるという。
金総裁は、「AIIBと世銀、アジア開発銀行(ADB)の共同融資プロジェクト第1弾は6月に認可される見込みだ。AIIBは独自の運営プロジェクトも準備している」と明かした。また、「インフラプロジェクトは規模が大きく、リスクが高く、1つの銀行が単独で20億ドル(1ドルは約109.7円)や30億ドルの支援を行っても割に合わない。AIIBは他の多国間開発機関とともに共同融資を行うべきだ」との見方を示した。
金総裁によると、「今後10年間にインフラ融資ニーズは10兆ドルに達するとみられ、AIIBは世銀、ADBなどの多国間開発機関とともに広大な協力の可能性を有しており、競争は存在しない。多国間開発機関が協力し合えばプロジェクト実施国のマクロ経済政策環境を改善することができる」という。
また金総裁は、「AIIBは『一帯一路』(1ベルト、1ロード)をめぐってよびかけたプロジェクトに融資を提供することができる。AIIBは参加するすべての新興エコノミーに融資を提供する。そのエコノミーが『一帯一路』のよびかけの範疇に入っていない場合でも融資を提供する」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年4月15日