オバマ米大統領は先日FOXニュースのインタビューに「在任中の最大の過ち」として、リビアのカダフィ政権転覆後の状況についてしっかりと計画を立てていなかったことを挙げた。8年間の任期が終わるのを前に、オバマ大統領はリビア問題を繰り返し総括している。(文:華益文・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
オバマ大統領は現在リビア情勢が収拾がつかないことを率直に認めたうえで、戦後の混乱の責任を同盟国である英仏の無関心さになすりつけた。だがオバマ大統領はリビアへの軍事介入自体が誤りであったことは認めなかったうえ、米国が少しの代償で、かつ同盟国が先頭に立ってカダフィ政権を倒したことを自慢げに語った。こうした選択的、限定的な介入が「オバマ主義」の重要な特徴であることは間違いない。
オバマ大統領は「チェンジ(変革)を掲げて出馬し、大統領に就任した。アフガニスタンとイラクでの戦争を終結させることを始め、ブッシュ政権の対外政策を変えることを誓った。オバマ大統領は本来ブッシュ前大統領の後塵を拝したくなかったのだが、結果としてやはりリビアに対する戦争発動に加わった。
シリア問題において、この「選択的介入」は新たな形を取った。米国が西側および地域の同盟国と連携して制裁を行い、シリアを孤立させた結果、アサド政権は国土の多くに対するコントロールを失い、シリアは混乱に陥った。現在までにシリアでは数十万人が命を失い、数百万人が家を失い、シリア難民問題が欧州を悩ませている。米国を代表とする西側諸国のこうした干渉はパンドラの箱を開け、リビアとシリアに深刻な結末をもたらした。