巨額の現金を見つけ、手つかずのまま持ち主へ
次の乗客を乗せて、タクシーが海滄大橋の真ん中あたりを走行しているとき、李さんは会社からの電話を受け、たった今、外国人客をホテルまで乗せなかったか、また乗客が落とした財布を拾わなかったかと聞かれた。李さんは「その時もチェックしたが、見つからなかった。ただ、あとから助手席に乗せた乗客が持って行ってしまったのではないかと心配になりだした」と語った。そして李さんが会社からの電話を切るとすぐに乗客から頼まれたと思われる京閩中心酒店スタッフからも電話がかかってきた。
車が大橋を渡りきると、李さんはすぐに路肩に駐車し、助手席に乗っていた乗客にも手伝ってもらい、携帯電話の懐中電灯機能を使って探してもらった。「助手席と足元には何も無く、座席の下にも無かった」が、最後にドア側の隙間からそれらしい財布を見つけた。「パンパンに札が詰まった財布を乗客から受け取ると、そのまま運転席のダッシュボードの上に置いた」という。李さんは会社に報告すると、乗客を目的地まで送り届け、その後直接、京閩中心酒店に向かった。
0時近く、李さんはホテルスタッフと警備員立会いのもと、拾ったままの財布を届け、日本人の乗客はその場で中身をチェックして金額に間違いがないことを確認した。李さんはその時初めて財布の中には3束の真新しい100ドル札だけでなく、2束の百元札、小銭と証明書などが入っていることを知ったという。乗客によれば、財布の中には人民元に換算すると20万元以上(約332万円)が入っていたという。
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