2016年5月20日  
 

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日本の中流階級が辿った「失われた20年」 今後は格差社会に突入か (2)

人民網日本語版 2016年05月20日08:25

かつての日本社会をリンゴ型で形容するのは、「一億総中流(日本国民の大多数が自分を中流階級だと考えること)」という言葉よりもイメージしやすい。1980年代、私は中国のある経済新聞で働いていた。初めて取材で日本を訪れた時、ある日本人が言った「一億総中流」という言葉を新鮮に感じたものだ。政治家の取材を担当しているベテラン日本人記者によると、「大平正芳首相すらも自らを中流階級と考えている」という。つまり日本社会の平等は、裕福な条件の下での平等だったことが分かる。

▽1990年代「洋ナシ型」――労働者のボーナスが減り、暮らしが厳しく

マクロ的に見ると、1989年に日本の株価はピークを迎え、1993年に土地価格がピークを過ぎた。当時の人は、日本の「失われた20年」が始まったとは知らず、まだ多くの人が日本経済に自信を持っていた。経済学で最も簡単な循環理論によって、1990年~21世紀初頭の経済発展を説明できると考え、新たな成長がいつか訪れると信じていた。たしかに日本には、大規模な経済総量と体制があり、技術革新の勢いもあり、経営改革が絶えず進められていた。グローバル化の波の中、日本経済にはまだまだ力を発揮する余地があった。当時、日本社会はすでに「リンゴ型」から「洋ナシ型」に変化していたが、まだ「ピラミッド型」にはなっていなかった。多くの人は「洋ナシ」から「リンゴ」に戻れると固く信じていた。中流階級は日本社会の主流だったが、実際には富裕層と貧困層の差ははっきりしていた。誰もが中流階級という「リンゴ型」の状態に戻ることは二度とないだろう。

▽2000年以降:「砂時計化」――世帯年収が2割以上減少

ある米国人学者は、「ITバブルの崩壊後、米国社会に砂時計化の現象がみられる」と指摘した。実は日本でも2000年以降、同じ現象が起きた。砂時計はリンゴや洋ナシと大きな違いがある。これは、人々の社会における位置が上から下へと徐々に落ちていき、下から上の移動は起きず、全体的に均一化するというものだ。


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