今年3月21日には、中国中鉄株式有限公司がクアラルンプールのバンダルマレーシアに20億ドルを投入して地域本部を建設することを発表。この場所はマレーシア-シンガポール高速鉄道のマレーシア側の始発駅になる見込みだ。
盛社長は5月24日にマレーシアを訪問し、「中国・マレーシア両国の鉄道分野での友好的協力関係を一層発展させたい。中国の高速鉄道は技術、設備、コストパフォーマンスに優れており、安全面も保障されている」と述べた。
中日だけでなく、同高速鉄道の入札にはフランスと韓国も参加の意向を示している。入札募集はまだ始まっていないが、水面下ではすでに各方面のつばぜり合いがスタートしている。
▽中国の優位は明らか
技術や経験などを考えると、同高速鉄道をめぐる競争では中国と日本が有力だ。シンガポール紙「ザ・ストレーツ・タイムズ」の4月12日付報道によれば、入札は2017年第1四半期(1-3月)に行われることが決まり、ここで中日が最後の決戦を繰り広げることになる。
同紙は、「マレーシアにとってみれば、路線のマレーシア区間の大部分で費用を負担しなければならないため、同国政府はコストパフォーマンスが高く、資金調達面でより柔軟な中国のプランにとりわけ注目している」と報じた。
メディアの中には、シンガポールは車両や信号システムで豊富な経験をもつ日本企業に好感を抱いていると報じるところもある。