シンガポールの南洋理工大学ラジャラトナム国際研究院の胡逸山(Oh Ei Sun)シニアフェローは、「マレーシア-シンガポール高速鉄道の入札では2つの点、コストパフォーマンスと安全性が考慮されることは言うまでもない」と話す。
胡シニアフェローは、「日本は長年にわたり新幹線を運行してきて、技術は成熟し、安全というイメージが確立している。だが中国高速鉄道は後発組ながら上位に立ち、建設スピードは速く、カバー面は広く、建造価格は比較的に安い。マレーシアはまだどちらにも決められないでいる」と説明する。
また胡シニアフェローは、「選ぶのが難しいこと、これがこの高速鉄道プロジェクトが再三にわたって延期されてきた重要な原因の一つだ。もともとの計画では2015年に着工し、20年に運行がスタートすることになっていたが、今のペースだと、17年に協力の詳細が確定、18年になってやっと着工する見込みだ」と話す。
▽地縁経済の競争
中国高速鉄道の海外進出がスタートしてから、日本は常に強力なライバルであり、影が形に寄り添うように中国にぴたりと併走してきた。世論では、中日両国のビジネス競争の背後には政治的な要因があるのではないかと推測する声が後を絶たない。
胡シニアフェローは、「そのよう状況は避けられない。ビジネス投資は本来は国家間の関係と切り離すべきものだが、実際には切り離しは極めて困難だ」との見方を示す。