2016年10月24日  
 

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日本人から見た魯迅 (2)

人民網日本語版 2016年10月21日11:11

中国文学者・竹内好がまとめた「魯迅選集」

魯迅からインスピレーション得る日本の作家

Q:董さんの著作「魯迅形影」では、魯迅を主人公とした日本人作家の文学作品にも言及しているが、具体的にはどのような状況なのか?日本人作家は魯迅に対してどんなイメージを抱いているのか?

A:日本では、魯迅をテーマにしたり、魯迅を主人公とした作品がたくさんある。私が読んだことのある作品だけでいうなら、以下の3冊は注目に値する。

まず、太宰治の長編小説「惜別」で、青年の頃の魯迅とその恩師・藤野先生の物語が描かれている。太宰治が知っていた、魯迅が仙台にいた頃についての話は、当時の日本の政府にとっては喜ばしい内容ではなかった。その中では、太宰治自身が知っている青年・魯迅が描かれていると同時に、日本政府の軍国主義意識の形態が、間接的に風刺されている。

次に、霜川遠志の戯曲「魯迅伝」で、50年代から70年代に日本全国各地の中学・高校で巡演され、大きな影響を与えた。この作品の最大の特徴は、魯迅を徹底的に普通の人として描いている点で、その観点から魯迅の本質を理解しようとしており、フィクションである魯迅と革命家・秋瑾の恋愛まで描かれている。

最後に、著名な劇作家・井上ひさしの戯曲「シャンハイムーン」で、魯迅が避難生活を送っていた1934年8月から9月までの約1ヶ月間に、日本人の医師が魯迅の治療をしてくれる物語を描いている。井上ひさしには、魯迅と『対話』するという強い意思が感じられ、魯迅を鏡として自分を照らし、自分の価値観を表現している。魯迅の価値観には反対の立場を示している。しかし、「反対」とは言っても、魯迅を否定しているわけではなく、対話を通して、魯迅の観念とは全く逆の観念を示し、より奥深い魯迅を演出している。


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