「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)の熱い風が今年も中国消費市場を吹き荒れた。データをみると、当日には天猫(Tmall)のダブル11キャンペーンでの取引額が1207億元(約1兆8994億円)に達して、昨年の912億元(約1兆4352億円)を上回り、過去最高を記録して、ダブル11は「1千億元時代」に突入した。国務院弁公庁は同日、「実体小売の革新モデル転換の推進に関する意見」を発表した。専門家は、「ダブル11の当日に『意見』を発表するのは実体ある小売企業の革新とモデル転換を推進するためであり、これはネット小売産業にとっても実体店舗の小売産業にとっても特別な意義がある。今後、実体店舗の小売産業がダブル11というチャンスをしっかりとつかまえ、内部構造の調整を推進し、オンラインとオフラインの融合を強化すれば、このたびの実体小売産業の革新・モデル転換により小売産業全体が質の高い急速な発展という新局面を迎えるようになる可能性がある」との見方を示す。人民日報海外版が伝えた。
▽内外の問題が発展を制約
ネット小売産業のここ数年の急速な発展ぶりに比べ、実体店舗の小売産業は相対的に低迷していた。国家統計局がまとめたデータをみると、今年第1~3四半期(1~9月)には全国のネット小売産業の売上高が前年同期比26.1%増加し、伝統的な実体店舗型小売産業の売上高は同7%増加にとどまり、中でもスーパーは増加率が同0.2ポイント低下し、デパートも同2.1ポイント低下した。
ここ数年、多くの実体小売店舗が業績の低迷やコストの増大といった経営面の圧力を受けて閉店の道を選ばざるを得なくなっている。英国系テスコの上海中興店、マレーシア系パークソンの北京太陽宮店、日系イオンの■博張店西区店(■はさんずいに輜の右側)が10月31日に営業を停止し、日系イトーヨーカドー系の北京華堂商場十里堡店も11月1日に閉店した。小売企業が店舗閉鎖に踏み切るのはこれが初めてではなく、過去3年間にイトーヨーカドーが北京の店舗を9から2に減らすなどしている。
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