また食べ会以外にも、馬さんは月に一度「日本文化サロン」を開いている。日本文化に興味のある中国人向けに、普通の日本語教室では教えないようなディープな日本文化を紹介する会だ。
今回のテーマは「日本のお酒」。参加者たちは「木苺(きいちご)」や「口噛み酒(くちかみさけ)」などあまり耳慣れない単語を馬さんに続いて復唱し、積極的に学ぼうとしていた。特に日本酒のラベルの見方に関する説明は、日本旅行へ行った時の参考にするのか、たくさんの質問が飛び交った。休憩時間には日本酒と軽食を提供し、試飲体験を行うという内容の充実さに参加者も非常に満足した様子。日本語を習い始めたばかりの参加者はもちろん、日本に留学経験があり、日本文化をさらに深く知りたいという参加者にとっても、有意義な活動と評判だ。馬さんは「このサロンを通じて、外国から伝わった文化を独自の形として進化させることができる日本の良い点を知ってほしい」とその目的を語ってくれた。
こうして人の輪を広めている馬さんだが、ハーフゆえの葛藤が無いわけではない。
「国籍はどこなの?」
「なぜもう一つの国の言葉をネイティブレベルで話せないの?」
「ハーフ」や「クォーター」、「帰化者」は周囲からのこうした質問に対し、反応に困った経験が少なからずあるのではないだろうか?
馬さんも中国人の父親の姓を名乗っているが、生まれた時から日本で暮らしているため、留学前は中国語を話すことができなかった。
周囲からは「中国人じゃないの?」、「(中国人の姓なのに)なぜ中国語を話せないの?」といった質問を何度もされるたびに相手が自分以上に自分の国籍にこだわっていることを窮屈に感じたという。
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