▽日本で相次ぐ改ざん問題の根源はどこに?
経済状況が右肩上がりで、高度成長を遂げていた頃、日本では国内外の二重の経済制度が形作られた。国内では3種の神器が生まれ、国外では世界でもまれなメーンバンク制度が構築された。メーンバンク制度とは、銀行は企業に資金を貸し出すだけでなく、企業の経営にも参加するというものだ。そして日本企業の不祥事の根本も、この制度にあるといえる。
第一に、日本企業は短期的な利益しかみていないといえる。これまでの日本企業はメーンバンクの力強い支えがあり、資金繰りが問題になることはほとんどなかった。そこで企業は長期的な経営収益システムの構築に勢力を注ぐことができ、品質を管理を絶えず強化することができ、非常に細やかな製品の品質改良に取り組むこともできた。だが1992年に金融バルブの崩壊が始まると、メーンバンクは巨大な危機に直面し、資金繰りが厳しくなり、コントロール下にある企業に対し利益を上げるよう強く求めるようになった。強い要求を受けて、日本企業の上層部は短期的な決算をますます重視するようになり、利益水準を引き上げることばかり考えるようになり、品質の問題はどこかに追いやられ、末端の管理職に責任を負わせるようになった。短期的な利益ばかりを追求得するようになり、末端の現場に指標の達成を口うるさく言うようになり、重要業績評価指標(KPI)を過度に追求するようになった結果、末端の管理職がどうにもならなくなって不正に手を染める可能性が高まった。
第二に、日本企業の雇用体制は崩壊しているといえる。終身雇用制という環境の中で、従業員はエネルギッシュに製品の品質向上に努めてきたが、メーンバンクは企業に対しコスト削減を絶えず要求するようになった。日本企業の最大のコストは人件費だ。95年にバブルが完全に崩壊すると、日本経済団体連合会が「新時代の『日本的経営』」を打ち出した。このモデルを踏まえ、日本企業は派遣労働スタイルにより大量の非正規労働者を雇用するようになり、統計によれば、日本のこうした「臨時労働者」は全労働者の40%以上を占めるようになった。非正規の人々は企業に対して帰属感をもてず、企業の技術の進歩、製品の品質、生産性の改善に関心をもつこともない。
第三に、日本企業はプライドが高すぎるといえる。日本の銀行産業をみると、日本企業は世界で最も緻密な製造を行っており、銀行と企業は市場の反応に対してしばしば傲慢な態度を取り、自分たちの伝統的な品質の優位性に過大な自信をみせる。そして銀行は企業の利益ばかりを重視し、経営戦略や将来への対応の研究がおろそかになった。このような身勝手な自信が日本企業の経営者の戦略判断を誤らせることは多く、戦略的な大失敗を引き起こすこともある。東芝がまさにこのような状況だった。
日本製造業の改ざん問題の根っこは金融システム全体の崩壊にある。この問題を受けて金融がもつ深層レベルの意義を直視せざるを得ない。金融リスク対策はどれほど重視してもしすぎるということはない。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年12月8日
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